日露貿易投資促進機構の設立に関する覚書

2003年暮れ、ロシアからカシヤノフ首相が来日し、12月16日に日ロ政府間で「日露貿易投資促進機構の設立に関する覚書」が交わされました。覚書のなかでは、機構の日本側事務局を私ども社団法人ロシア東欧貿易会に置くことが明記されています。覚書の全文は以下のとおりです。

日露貿易投資促進機構の設立に関する覚書

2003年12月16日
於:東京

2003年1月10日に小泉純一郎日本国総理大臣とV.V.プーチン・ロシア連邦大統領により採択された「日露行動計画」に基づき、今後ともあらゆる分野において日露関係を発展させるとの強い意思の下、両国間における貿易投資の規模が日露経済関係の潜在力に比して不十分な水準にあることにかんがみ、日露間の貿易及び投資を拡大するための環境を整備することを目的として、貿易経済日露政府間委員会における討議に基づき、以下の諸点の考え方に立ち、2004年4月以降の早期に、日露貿易投資促進機構(以下「機構」という。)が設立されることがここに確認される。

1.設立の目的

日本側機構及びロシア側機構により構成される機構は、日露両国の制度及び貿易投資活動に従事する企業活動の主体(以下「企業」という。)に関する情報を日露両国の企業に提供し、日露両国のそれらの間の取引を促進し、また、日露両国の企業間における紛争の発生を未然に防止するよう努めるとともに、そのような紛争が発生した場合に訴訟前の段階における解決に向けて機構の活動に関与する日露両国のすべての機関の間の相互連携を強化し、もって両国の企業間の信頼感の向上と日露間の貿易投資活動の拡大及び深化を促進する。

2.活動内容

機構は、互恵、既存機関の有効活用、現実的なアプローチという基本原則の下、日露両国の企業の自主的、主体的判断に基づく日露間のビジネス関係の一層の進展を慫慂するために、機構の活動に関与する両国の関係機関がその環境整備を行うことを活動の主たる目的とし、以下の基本的機能を果たす。

(1)情報提供

日本側機構は、対露ビジネス関係に関心を有する日本の企業に関するデータ・ベースを整備し、直接又はロシア側機構を通じて寄せられるロシアの企業の要請に応じて、貿易投資の取引相手の候補となる日本の企業に関する情報、並びに、登記、許認可取得要件及び手続を始めとする日本の法令、税制、ビジネス関係に関する情報その他ロシアの企業にとって有用となる日本の制度やビジネス慣行に関する情報を提供する。
ロシア側機構は、対日ビジネス関係に関心を有するロシアの企業に関するデータ・ベースを整備し、直接又は日本側機構を通じて寄せられる日本の企業の要請に応じて、貿易投資の取引相手の候補となるロシアの企業に関する情報、並びに、登記、許認可取得要件及び手続を始めとするロシアの法令、税制、ビジネス関係に関する情報その他日本企業にとって有用となるロシアの制度やビジネス慣行に関する情報を提供する。
日露の機構は、また、日露間の貿易及び投資の促進を目的とした種々の事業に関する情報を広く提供する。

(2)コンサルティング

日本側機構は、日本の企業等のミッションの訪露を奨励するとともに、ロシアの企業等のミッションの訪日に際しては、ミッションに参加する企業又はロシア側機構の要望に応じて、関連する日本の企業との面談アレンジ等を含む日露間の貿易投資促進に関連する支援を可能な範囲で行う。
ロシア側機構は、ロシアの企業等のミッションの訪日を奨励するとともに、日本の企業等のミッションの訪露に際しては、ミッションに参加する企業又は日本側機構の要望に応じて、関連するロシアの企業との面談アレンジ等を含む日露間の貿易投資促進に関連する支援を可能な範囲で行う。
また、日露の機構は、相手国の企業又は相手国側機構の依頼に応じ、企業同士の紹介、引き合わせ等のビジネスマッチング、それぞれ対日及び対露ビジネスに関する助言等を行い、更に、種々の行事・オフィス物件・通訳等に関する情報の入手支援等を通じて自国における初期的なサポートを行う。
上記に際し、機構は、企業間の契約交渉及び取引条件に関するその他の交渉への参画は行わないものとする。

(3)紛争処理支援

日露の機構は、日露の企業間における紛争の発生を予防又は解決するために両国の企業に対し必要に応じ助言を行うとともに、相手国側機構より両国の企業間の紛争の発生の予防又は解決のための働きかけを受けた場合には、問題の事実関係を調査の上、行政上可能な範囲で問題の予防又は解決に取り組み、そのような取組の状況につき相手国政府に伝達する。
さらに加えて、今後とも、貿易経済日露政府間委員会及び同委員会貿易投資分科会等の機会を通じて、両国の企業間に発生する問題を訴訟前の段階において予防又は解決するための取組が行われる。

3.組織

機構は、日本側機構及びロシア側機構により構成され、法人格を形成しない活動機関として活動する。日本側機構の事務局を社団法人ロシア東欧貿易会(東京)、ロシア側機構の事務局をインフォルムVES(モスクワ)に設置する。
日本国外務省欧州局審議官及び経済産業省通商政策局審議官が日本側機構を代表し、在ロシア日本国大使館の経済担当公使をロシア連邦における代表代理とする。
ロシア連邦経済発展貿易省投資政策局長がロシア側機構を代表し、在日本国ロシア連邦通商代表を日本国における代表代理とする。
日露各々の機構の代表、代表代理及び事務局の長は、外交経路を通じて日露の機構に通報される。
また、日本センター、社団法人ロシア東欧貿易会(以下「ロ東貿」という。)モスクワ事務所及び独立行政法人日本貿易振興機構(以下「JETRO」という。)モスクワ事務所には日本側機構の支部が設置される。在日本国ロシア連邦通商代表部にロシア側機構の支部が設置される。
日本側機構に係る調整及び決定を行う機関として、外務省、経済産業省、ロ東貿及びJETROからなる「本部調整会議」を設置する。
ロシア側機構に係る調整及び決定を行う機関として、ロシア連邦経済発展貿易省及びその他の関係省庁の代表者、また必要に応じロシア連邦地方行政府、連邦及び地域の経済関係団体の代表者からなる「省庁間作業グループ」を設置する。
日露の機構は、それぞれ自国の地方自治体、地方の経済関係団体等と連携する。また、地方における機構の活動を円滑に行うために、必要に応じ、両国の総領事館が相手国の地方自治体及び地方関係機関等との間で協力及び調整を行う。

4.運営

日露の機構の代表は、機構全体の組織及び運営につき、貿易経済日露政府間委員会の会合、同委員会貿易投資分科会及びその他可能な機会を利用して原則として年に1回協議を行い、それぞれの機構の直近の事業年度における活動状況をレビューし、必要に応じ、今後の活動の方針を調整する。また、この協議に加え、日本側機構の「本部調整会議」及びロシア側機構の「省庁間作業グループ」は、必要に応じ、両機構の代表又は代表代理を通じて、機構全体の組織及び運営に係る調整を行う。
機構の日常の活動は、日露の機構の事務局を通じて行われる。
機構の枠内で提供されるサービスは無償とする。
日露の機構は、機構のサービスに対する需要、また、機構の活用状況を考慮し、必要に応じ機構の活動を継続することの合目的性に関する問題を検討することができる。

5.今後のとり進め方

今後、機構の設立までに機構に関与する日露両国の関係省庁、ロ東貿及びインフォルムVESは、日本側機構とロシア側機構との間の調整及び相互協力に関する問題を含め、機構の設立に関する準備作業を行う。

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