昨年のトルコへの石炭輸出 過去最高

セクター エネルギー
関係国 米国/トルコ/その他/ドイツ
掲載日 2024-02-19
コンテンツ 2月19日付EastRussiaによると、2023年のロシアからトルコへの石炭の輸出量は前年比800万t増、率にして39%増の2,870万tと、過去最高となった。トルコは昨年1年間に、前年比220万t増(6%増)の3,900万tの石炭を輸入した。トルコの石炭輸入に占めるロシアの割合は56%から73%に上昇した。ロシアがトルコに国際価格よりも安い価格で石炭の輸出攻勢をかけたことが要因で、この影響で、コロンビアの輸出量がほぼ半減するなど、南アフリカ共和国、オーストラリア、米国などの競合する他の国をトルコ市場から追い出している。EUが2022年8月にロシア炭の輸入を禁止する制裁措置を導入した後、ロシアが新たな輸出先の1つとしてトルコに輸出攻勢をかけたこと、ロシアがトルコに国際市場よりも安い価格で石炭を供給したことで、ディスカウント率は2023年を通じて20%を超えた。しかし、2024年に入って、輸出業者が現在の価格での供給を渋ったため、ロシアからの石炭供給状況は悪化している。2月、トルコへの石炭輸出は減少した。ロシアの黒海沿岸のタマニの石炭積出ターミナルからの出荷が、割高な積み替え料金を荷主が利用を控えたため、2月上旬にまったく行われなかったためだ。2024年のデータによると、欧州での需要が減少する中、コロンビアはトルコへの輸出を再び増やしている。コロンビアと南アフリカがトルコに競争力のある価格を提示しており、ロシアの石炭生産者にとって、利益維持が課題の1つとなっている。トルコの石炭需要は、石炭火力発電の増加により引き続き堅調で、2023年には前年比4%増の1,155億kWhとなり、総発電量に占めるシェアは2022年の34%から36%に上昇した。高いインフレのためトルコの発電所はガスの購入を減らし、より手ごろな価格の石炭を選択せざるを得なくなっており、石炭消費量でトルコがドイツを追い越す可能性がある。
ROTOBOビジネスニュースクリップ掲載号及び発行日 2024年2月27日 第135号
入力日 2024-02-28
データ番号 5064