ロシア産LNGはアジアに向かわない

セクター エネルギー
関係国 日本/中国/韓国/インド/EU/その他
掲載日 2024-04-08
コンテンツ 4月8日付Kommersantによると、Kplerのデータから、2024年第1四半期のロシアのLNG輸出量は前年同期比4.3%増の870万tであったことが明らかになった。3月の輸出量は前年同月比1%減の286万tであった。第1四半期の輸出量のうちアジア向けは前年同期比7%減の316万t、欧州向けは前年同期比4%増の499万t、仕向地不明が55万tであった。一方、3月はアジア向けが前年同月比30%減の86万t、欧州向けが3%増の155万t、不明が47万tであった。第1四半期の主要輸出先は依然としてフランス(160万t)、スペイン(100万t)、ベルギー(160万t)、アジアでは日本(167万t)および中国(78万t)であった。NOVATEKのヤマルLNGプロジェクトの第1四半期の輸出量は前年同期比6.6%増の540万t、3月は前年同月比5.8%増の183万tであった。サハリン2プロジェクトの第1四半期の輸出量は前年同期と同じ263万t、3月は前年同月比6.7%減の83万tであった。NOVATEKのクリオガス・ヴィソツクの第1四半期の輸出量は前年同期比27%増の22万t、ガスプロムのポルトヴァヤLNGは2%減の43万tであった。一方、3月は価格下落に伴い需要が増加したためアジア向けのLNG供給量が急増した一方で、ロシアからアジアへの輸出量は減少した。サハリン2はアジアにのみLNGを輸出しているが、3月に輸出量が増加したのは日本向け(前年同月比28%増の57万t)のみで、韓国(60%減)および中国向け(25%減)は減少した。3月はインドやタイ向けの輸出も行われなかった。ヤマルLNGでもアジア向け輸出にシフトする大きな動きはみられない。専門家の見解によると、その理由は、スポット供給可能な余剰のLNGがないためである。
ROTOBOビジネスニュースクリップ掲載号及び発行日 2024年4月16日 第140号
入力日 2024-04-19
データ番号 5257