経済発展省が3カ年計画のシナリオ策定

セクター 経済全般
関係国 ロシア国内
掲載日 2024-04-23
コンテンツ 4月23日付Kommersantによると、経済発展省は同日、2027年までの社会経済発展予測の基本シナリオの条件と主要指標を政府に提示した。マキシム・レシェトニコフ経済発展大臣によると、基本シナリオは新たな国家プロジェクトや大統領教書を含む実施中および計画中の全ての施策を考慮に入れたもので、現実的な内容であるという。ミシュスチン首相は、これに基づき財務省が今後3年間の予算指標を作成する予定であると述べた。経済にとってのリスクとして、世界経済およびロシアの主要貿易相手国経済の減速、制裁圧力の継続、労働市場の縮小に伴う国内供給不足が挙げられている。同シナリオでは2024年のGDP成長率予測が2.8%に上方修正された(2023年9月の予測では2.3%とされていた)が、2023年の成長率(3.6%)よりは低い。専門家によると、最も大幅に修正されたのは貿易動向およびルーブル相場である。たとえば、2024~2027年のロシア産石油の輸出価格は1バレル当たり65ドルに引き下げられた(9月時点では約70ドルとされていた)。2024年のロシアの輸出額は4,287億ドル、輸入額は3,241億ドル、貿易収支は1,045億ドルの黒字とされている。その後は輸入より大きな輸出の伸び(ただし、輸出の見通しは9月に比べて下方修正、輸入については上方修正された)により、貿易黒字が1,220億ドルに拡大する見込みである。2024~2026年の経常収支の黒字は300億ドルを下回る見通しである(9月の予測では800億ドルとされていた)。貿易収支の見直しに伴い為替相場もルーブル安方向に修正され、2025年には1ドル=100ルーブルを超え、下落が続く見通しとされている。

図表 2024~2027年のロシア経済の見通し(2024年4月23日経済発展省発表)
2023
(実績) 2024
(予測) 2025
(予測) 2026
(予測) 2027
(予測)
GDP伸び率(%) 3.6 2.8 2.3 2.3 2.4
インフレ率(年末の前年末比) 7.4 5.1 4 4 4
投資(前年増減率) 9.8 2.3 2.7 3 3.2
実質賃金上昇率 7.8 6.5 3.6 2.8 2.5
実質可処分所得 5.4 5.2 3.5 3 2.6
平均為替レート(ルーブル/ドル) 84.7 94.7 98.6 101.2 103.8
原油価格(ドル/バレル) 64.5 65 65 65 65
(出所)2024年4月23日付RBK(https://www.rbc.ru/economics/23/04/2024/66277ea19a794798571008cb)。

ROTOBOビジネスニュースクリップ掲載号及び発行日 2024年4月30日 第142号
入力日 2024-05-02
データ番号 5321