米国の対中関税引き上げがルサールに打撃を与える恐れ

セクター その他
関係国 中国/米国
掲載日 2024-04-19
コンテンツ 4月19日付Kommersantによると、米国が中国産鉄鋼・アルミニウム製品への関税を引き上げる方針を発表したことについて、ロシアのアルミ大手ルサールは、同社のアルミニウムの対中輸出に悪影響を及ぼす可能性があると表明した。米国は4月17日、中国から輸入する鉄鋼・アルミ製品への関税について、一部税率を現状(平均7.5%)の3倍に引き上げる方針を明らかにした。安い鉄製品の流入による国内産業や労働者への打撃を防ぐためだが、中国側は、関税引き上げ行われた場合、世界のサプライチェーンに混乱を引き起こすとして、米国の方針を非難している。中国税関の貿易統計によると、中国は毎年30~40億ドル相当のアルミニウムを米国に輸出している。4月、米英は対ロ制裁強化の一環として、ロシア産アルミニウムの輸入を禁止した。そのため、ルサールにとって、中国市場は非常に重要となっている。関税の引き上げが行われた場合、中国のアルミ輸出が減少し、ルサールの中国への輸出にも悪影響を及ぼす可能性がある。ルサールは、輸出の約3分の1に影響を及ぼす恐れがあるとしている。2023年、ロシアは中国に28億ドル相当のアルミニウムを供給した。ルサールの2023年の中国への輸出は前年比で2倍になった。一方、アナリストは、関税引き上げは米国市場での価格上昇につながる可能性が高く、中国はいつものようにこれを利用し、ブローカーを通じて自国産の金属の輸出を継続するだろうとみている。この状況は、中国の需要家にとって、ロシア産アルミニウムをより魅力的なものにするかもしれない
ROTOBOビジネスニュースクリップ掲載号及び発行日 2024年4月30日 第142号
入力日 2024-05-02
データ番号 5340